海外協力隊員は現地の人と同じものを食べ、生活を共にし、現地の人と同じ視点をもって課題解決に取り組むことをモットーにしています。
知らない土地で知らない人と仲良くなり、その人たちの状況を理解したうえで最適な課題解決方法を探しましょうね、ということなんですが、このとき最初にして最大の障壁が”言語”です。
JICA海外協力隊応募の時は、中学高校生レベルの英語力があればトライすることができるんですが、任地にいって仕事をするためにはその程度ではもちろん不十分。しかも、協力隊に必要な言語は英語だけでなく、現地の人が使っている言葉を学ぶ必要があるんですね。
そのため、派遣国に合わせてスペイン語やフランス語、アラビア語、場合によってはウズベク語やヒンディー語などの希少言語を学ぶ人のもいます。しかも大勢。。。
しかし、そこは天下のJICA。今回はJICA海外協力隊候補生が受講する語学講座について、入所2週間で感じたことを書いていきます。
英語のクラスはとにかく実践重視
言語のクラスは、入所後にクラス分けテストを受け、それぞれのレベルに合わせてクラス編成が行われます。英語以外の言語も、事前にEラーニングなどで勉強しているため、各々の言語でテストがあります。
パラオを含む大洋州は訓練言語が英語なので、自分も訓練所では英語しか勉強しません。
自分はどうも中レベル、または上の下くらいのクラスにいるようなんですが、教室内で使っていいのは英語のみです。
「あ~これ英語でなんて言うかわかんないなぁ~~。説明もできないなぁ~~」ってとき、「In Japanese, it is said ○○(日本語)」みたいな逃げ方は基本的にできませんww
それを使うと「Hey, don't use Japanese!」ってなります。
初級クラスでも訓練開始2週目にはクラス内が完全英語化するようで、訓練が進むにつれ、その英語ゾーンが広がっていく予定です。教室⇒廊下⇒訓練棟⇒食堂みたいな感じで。
JICAのテキストもありますが、先生独自のプリントや資料を使って授業が進みます。
基本的にはこれはこういう意味、こんな時はこう言う、もっとこう言ったほうがいい、みたいなことを英語で言われ、自分たちでディスカッションして、さらに修正されるという流れ。
さらに、テクニカルクラスと呼ばれる職種に合わせた英語授業があり、それぞれの専門に関連するトピックスやワードを実際に使うことで現地での活動をよりスムーズにできるようカリキュラムが組まれています。
さらに最上級レベルのクラスはただただおしゃべり。ずっと英語でおしゃべりだそうです。
英語以外の言語は「楽しむ」×「詰め込む」方式
さすがにほぼ未経験者に対して「ウズベク語以外しゃべっちゃいけません」なんてことにはならないようで、英語以外のクラスは割と丁寧に進んでいくようです。
丁寧と言ってもたまに日本語が混じるというだけで、一回の授業で学ぶ情報量たるや、我々英語学習者には想像できないレベルなのだとか。。。
事前に学習してきた隊員も、何もわからない。。。といって嘆いていました。
クラスによっては歌を歌ったり、いろいろと工夫して楽しめる学習方法をとっています。これらの言語クラスでは結束力が高まり、どんどん仲良くなっていくのを肌で感じる(笑)
しかし、英語以外の言語については、2カ月の訓練で普通に話せるレベルにはなりません。JICAもそれを認めていて、必ずしも話せるようになることが前提ではなく、現地でも継続的に学び続けるための準備とされています。
ただ、成績が悪ければ、訓練中止からの退所もありえるので、訓練生たちは血眼で勉強しております。
宿題やばい、課題やばい、仕事多い、遊んでる時間ない
協力隊の訓練所といえば、青春の再来!異性との出会い、恋愛、楽しいこといっぱいだぁ~~と思ってるあなたには申し訳ないですが、訓練所では基本暇な時間はありません。
(このブログも頑張って隙間時間で書いております。。。どうか、どうか温かい目で応援していただきたい。。。。)
まず語学の授業では宿題が出ます。たっぷり出ます。
確認されるかどうかはクラスによりますが、理解している前提で授業が進むので宿題やらなければどんどん置いてかれます。
そのため、入所後に盛り上がっていた夜の体育イベントなどからは、一気に人がいなくなりました(笑)
また、語学学習以外でのレポートや課外授業、生活するうえでの係や当番の仕事があり、とっても忙しいです。
でも、この授業受けれるのってめちゃくちゃ恵まれている
忙しいし、生活のすべてを訓練に持ってかれますが、この生活ができる協力隊員は鼻血が出るほど恵まれていると思います。
- 英会話スクールに通えば、週1回や2回の授業で月何万円取られるでしょうか?
- それが希少言語だったら、そもそも勉強できる機会が日本にあるでしょうか??
- そして勉強に集中できる環境が、日本社会のどこにあるんでしょうか???
このクソ忙しい生活自体が、めちゃくちゃ価値のある時間で、今後の人生において非常に重要な学習だと思います。
これが受けられるってだけで、応募の1年間と派遣の2年間をかける意味が十分にあるくらい。。。だと思う。
もちろん、それ以外に志すものや適性がなければ候補生になることは難しいかもしれませんが、協力隊というのはそれだけ個人にとっても有益なことだなぁとつくづく感じる今日この頃でした。
さて、宿題に戻るかな。。。