青年海外協力隊の訓練所には、本当にありとあらゆる専門分野や経験をもっている候補生たちがあふれています。
そんな人達のスキルをより多くの候補生にシェアし、任国での活動や自分自身の経験を広げられるよう用意されているのが自主講座という機会。自分の特技ややりたいことを企画にして、講座を開くことができるんです。
今回、その自主講座制度を利用して、自分を含め3人の環境教育候補生で昆虫食講座「世界を救う!森のレストラン」を開講しました!
結果、約20名の協力隊・JICAボランティア候補生にお集まりいただき、大成功で終えることができました。今回はそのレポートをしていきます!
※昆虫の画像が出てきます※
昆虫食講座「世界を救う!森のレストラン」開講
協力隊候補生向けに、自主講座で昆虫食セミナー「世界を救う!森のレストラン」開催しました!
— あんが〜🇵🇼 (@angar_pl) 2019年5月31日
大盛況で本当に有り難かった!
総勢20名の方々に昆虫食を体験してもらいました。
詳しくはまたブログに書きます!#青年海外協力隊 #昆虫食 #大成功#虫 #駒ヶ根 pic.twitter.com/IDbAKpfVYM
本当は、なぜ昆虫食講座なんかやったのか~とか、昆虫食の何がいいの~とか、説明しようとしましたが、いつも通り膨大な記事になりそうだったので、それは別の記事に起こします。
というわけで、当日の様子を簡単な解説とともにどうぞ~~
自主講座「森のレストラン」のルール
その前に少しルール説明。
今回の講座の目的は「昆虫食の可能性と必要性の理解」のほかに、「異文化適応能力の向上」があります。
自分たちが派遣された任地で、現地の人が出してくれた料理や食材を美味しそうに食べる。それが任国の生活に溶け込む近道であり、協力隊のあるべき姿です。
たとえそれが虫であろうと、僕たちは現地の人と同じものを食べ、同じ生活をしなければなりません。
ということで、今回食べる虫の感想についてはポジティブな意見を書き留めることを条件としました。
ウソをつくのではなく、一つでもポジティブな点を見つけて書き留めてもらいます。
物事を受け止めるときの視線は非常に大切。何事もポジティブに受け取ろうとすることで、異文化への適応力が向上するのです。
森のレストラン、開店です!!
開講!皆さんワクワクの人もいれば、おそるおそる来られた人もいたようです(笑)
自分の任国の情報が出るとなかなかショック(笑)
パプアニューギニア派遣の人がいましたが、クワガタを生で食べるそうな。。。
気分をほぐす意味で出しましたが、実はコオロギの粉末入り(笑)
M君の講義中に明らかにしたけど、「やっぱり」という声もちらほらww
でも、終了までには間食されていました。
実は偶然にも午前中の語学クラスが、好きな料理を作れる授業(もちろんすべて英語で)だったので、メンバーに協力してもらって作った(笑)
でもね、コオロギの粉末は魚粉に近い香りww
ブラウニー向けではないな(笑)
お好み焼きとか美味しいかも。
まずはべたなコオロギの素揚げから
森のレストラン、開店~~
の一言で実食開始。一品目はコオロギの素揚げ。べた中のべたですが、食べたことがある人は少ないでしょう。
出てすぐに「あれ?美味しい。。。」という声が聞こえてきて、こちらもワクワクが止まりませんでしたw
参加者から常に意見を引き出しながら進めるのも、大切なファシリテーションスキル。
これがなかなか難しいんですが。。。
インパクト強め、ジャイアントミルワーム
こちらは茹でた後で素揚げにしようと思ったのですが、なかなかのインパクトのため、茹でた状態を見てもらいました。このまま食べれると紹介するとほぼ全員が茹でミルワームにトライ(笑)
プチっとしてナッツのようなミルキーな風味が味わえました。すこし皮が固くて気になりますが、おいしいです。
「え、うまww」というコメント続出(笑)
さすがに見た目でもだえ苦しむ人もいたようですがw
ところが、ここで事件勃発。。。
油の温度が高すぎたのか、ミルワームたちが油の中で大爆発を起こしました。
ポップコーンが油の中で弾けてる状態。。。
慌てて鍋のフタで飛び散らないようにガードしましたが、おいしい中身が全部吹っ飛んでしまいました。。。
ミルワーム揚げるときは低温でじっくりがよさそうです。
お刺身風でいこう。茹でハニーワーム
ハニーワーム、正式にはハチノスツヅリガ。
ミツバチの巣に入り込み、ハチに育ててもらう変わった蛾の仲間です。養蜂家の間では厄介な害虫も食べるとおいしい虫の一つ。
茹でただけでぷにぷにした感じが、生理的拒否反応を加速させます。
でも、その味はあっさり。豆腐のような風味で醤油がよく合う!
今回は参加者の方から山形の美味しい醤油を分けていただきました。ありがたい。。。
たぶん、今回の一番人気昆虫でした(笑)
あなたは耐えられるか?デュビアの素揚げ
今回、僕らが最も注目していたのがこのデュビア。正式名称は「アルゼンチンモリゴキブリ」。
爬虫類を買っている人にはおなじみですが、やはり一般人からするとゴキブリの印象は最悪です。。。。
そのため、最初に生きている状態の子たちも見てもらいました。
でもまぁ、そこは協力隊。恐れおののく人もいましたが、すぐに普段見かけるゴキブリとは違うことを発見します。
でまぁ、手に取ってみる人も出てきたりして。。。
お見せできないのが悔しいくらい、満面の笑みを見せていただいたK子さん。実はコオロギラーメンも食べたことがある、僕らより昆虫食上級者(笑)
アルゼンチンモリゴキブリ、実食
いよいよ食べていただきます。
どどーーん
味はエビの味噌を思わせる濃厚な風味。
しかし、食べた人によっては臭みや苦みを感じた人もいました。
実はいろいろ訳あってデュビアだけは二週間近く僕の部屋で共同生活をさせており、その時にあげてたエサや直前に過密状態で強いストレスを与えてしまったが故に、刺激臭を出してしまったんじゃないかと思っています。
個人的に一番推していた食材だっただけに、残念。。。
試食した時はもっと美味しかったんだけどなぁ。。。
その他、会場の様子
料理男子、どうですかね?
この料理作れても今はモテないやろな~~(笑)
今回利用したプレゼン手法はKP法と呼ばれ、プロジェクターなど機材のない任地でも利用できます。
※紙芝居プレゼンテーションの略です。
最後はGCP法でみんなの意見を聞きました。(これはS君のとっさの判断だったと思われ。めちゃくちゃよかった!)
GCPはグー・チョキ・パーです(笑)
グーが昆虫食好きになった、チョキはまぁ食べれる、パーは昆虫食嫌い、というようにサインを決め、一斉に出してもらいました。
結果、昆虫食好き!が18名、まぁ食べれるが4名の結果に!嫌いな人は0でした(笑)
ありがとう~~~
昆虫食講座で伝えたかった事
昆虫食というインパクトは十分でしたが、この講座をただの奇妙で珍しいキワモノのイベントで終わらせるのではなく、しっかりと意味のある体験の時間にしたいと考えていました。
- 昆虫食が世界的にも珍しいモノではないこと
- 食糧問題・環境問題双方にとって有益な手段であること
- 昆虫食の可能性を感じてもらうこと
- 美味しいと知ってもらうこと
こんな学びと心の壁を取り払って昆虫食を受け入れる体験をしてもらえたら最高だよね、と。昆虫食ど素人の3人で作り上げた講座でした。
そのために、虫の嫌いなM君や虫は食べ物じゃないと苦悶するS君には多大な我慢と努力を強いる結果となりましたが、本当に感謝しております。
というかスライドの用意とか発表とかしたの全部この二人やし(笑)
おれ虫注文して料理しただけ(笑)
あと、山菜の記事でもお世話になったP君が講座中の写真を撮ってくれました。参加者なのにごめんよ~~
ありがとう!
当初から人が来なかったらどうしようと震えておりましたが、フタを開けてみれば大盛況。
楽しかった。勉強になったという声を聴けて本当にうれしいです。
第二弾、とか、、できたら、いいなぁ~(笑)
※参加者の人が作ってくれました!